縄を鞣すということ
緊縛に使用する縄はナイロン縄、アクリル縄、綿縄、シルク縄などもありますが、古典緊縛や吊りを伴う緊縛では基本的に麻縄を使用します。
麻縄はそのまま使用することも出来ますが、
- タールの臭いがきつい
- 固くて痛い
- 毛羽立ちがひどい
などの理由から、上記のマイナスポイントを軽減するために鞣して使用することが一般的です。
どんなに良く鞣しても細かい毛羽は抑えられませんが、それでも鞣さないよりはマシになりますし、臭いや固さはだいぶ軽減されます。
「鞣す」と一言で言っても様々な工程があり、人によっては意味がない・やらないという場合もありますし、順番・やり方などもそれぞれだったりします。
ここでは私がやっている一連の方法を紹介しますが、これが正しい!っていうものでもないですし、もっと良いやり方や取り入れた方が良い工程があればいつでも変えて行こうと思ってますので、参考程度にご笑覧頂ければ!
以下が私がやっている鞣しの工程の全てで、この投稿では「煮鞣し」から「擦り鞣し」までの工程を見て行こうと思います。
- 煮鞣し
- 毛羽焼き
- 擦り鞣し
- オイル鞣し(椿油)
- 仕上げ(蜜蝋)
投稿の時点では一連の流れは既に完了しており、今回作成した縄の出来に関しては個人的に満足しております!以降で使用している機材や材料は実際に使用してみて良かったな、と思ったものなので、宜しければ参考にしてみて下さい!
煮鞣し
煮る
文字通り、縄を煮ます。
縄を煮る理由については、柔らかくするため・染み込んだタールなどの薬剤を抜くため、などと言われています。
今回使用した縄はこちら。
50mのものを購入して、結び目などを考慮して7m10cm程度に切り分けました(7mの縄を作りたかったので)。
本当は全部まとめて煮た方が良いのでしょうけど、そんなに大きい鍋はない!!!!っていうことで、ドンキで直径20cmの片手鍋を購入して2本ずつ煮ることにしましたw

だいぶみっちりしてるし、水を吸って膨らんだ縄がはみ出てくるので、ガスレンジ周りに余裕があるなら大きい寸胴とかでまとめた方がたぶん良い。
小さい鍋で煮るメリットは、タールや汚れが水に染み出てくるので、汚れた水を換えたいなって思った時に再度水からお湯になるまでの時間が短いこと、くらいですかね。
こまめに水を変えた方が縄の色が変わらなくて良いなど諸説ありますが、今回は1回煮立ってからお湯を捨てて再度煮立たせたのみです(水替えは1回のみ)。ただ最後にお湯を捨ててから何度か水を注いで捨てて、捨てる水に色がつかなくなるまで濯ぎを繰り返しました。
一点注意事項ですが縄は水を吸うと膨らむので、まとめて縛った状態で煮ると干す時に解けなくて苦労します。とても苦労します。(私は苦労しました…)
脱水
絞ったところでなんかびしゃびしゃしてるので、私は洗濯機の脱水にかけますw
洗濯機が汚れるので、って話をよく聞きますが、洗濯ネットに入れれば特に気になりません。
洗濯ネットに入れる際はなるべく網目の細かいネット推奨です。
干す
脱水した縄を干します。天日干しだと縮むとのことで、風通しの良い陰干し推奨だそうです。私は集合住宅のベランダで白昼堂々と干す勇気はないので、基本的には夜煮て、そのままベランダに干して、朝の早いうちに回収して室内干しに切り替え、っていう風にしてます。
乾燥する時に縮むのでってことで干す時に重しを付けたりするする人もいるそうですが、別にそこまで縮む感じもしないので、私はそのままだらーんと干してます。なおかつ高さがないので四つ折りです。
毛羽焼き
毛羽焼きは乾燥してから!って方もいますが、乾燥した縄に火をつけると燃えるじゃん…こわいじゃん…ってことで、私は煮た縄を脱水して干したらすぐにやります。縄本体はまだ濡れているので、表面の毛羽だけ燃えます。
毛羽焼きにはコンロを使う人、蝋燭を使う人等いますが、私は今回ガスバーナを導入しました。
コンロはサッと焼けるので良い/ただコンロの火の上に縄を通さなければいけないので危険、蝋燭はコンロほどの火力がないので危険度が低い/ただその分低温なのでじっくりと焼かなければならず縄まで燃やしてしまうことがある、などそれぞれメリット・デメリットがありますが、今回ガスバーナーを使用してみて、メリットしかない…!と感動しました。
ガスを使うので危ないと言えば危ないですが、それはコンロも同じだし使用時の危険度はいちばん少ないし、何より干してある縄に対して上から下に炎を当てて行くだけなのでだいぶ楽…。
余談ですが、私は夜のベランダに縄を干してそこで毛羽焼きもするので、暗い中に火花が散ってとても綺麗です。
擦り鞣し
「擦り鞣し」という工程がいちばんふんわりしている気がします。
- 緩んだヨリを固くするために両の掌で擦り合わせる
- 革や布に挟んで表面を擦る
- カラビナや鉄棒や木の幹にかけて表面をしごく
みんないろいろやってて面白いなーと考えたところで、私も今回それぞれ全部やってるな、とw
以下が今回私がやった「擦り鞣し」です。
① 軍手をした手で縄を掴み焼いた毛羽・表面の毛羽を落とすようにゴシゴシする
② ヨリが緩んでるところがあったのでヨリを戻す
③ 全体がなんか固いのでトルソのセルピーナさんの脚でしごく
こんな感じ。
やっと、なんか使えるかも知れないな…?って感触になりましたー。
次の投稿ではオイル鞣しについて紹介したいと思います!
今日はここまで!
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